7月7日の七夕は、子どもたちにとっても楽しみな行事のひとつ。
短冊に願いごとを書いたり、織姫と彦星の話を知ったり…日本の伝統文化にふれるよい機会です。
とはいえ、「七夕ってどんな意味があるの?」「4歳の子でもわかる絵本ってある?」と悩む保護者も多いはず。
この記事では、現役幼稚園教諭である僕が、4歳児クラスで実際に読み聞かせして反応が良かった七夕の絵本を厳選してご紹介します。
お子さんと一緒に季節の行事を楽しむきっかけになりますように。
4歳にぴったり!七夕の絵本おすすめ5選
① ねがいぼしかなえぼし
【内容】
この絵本は、願いごとを叶える星「かなえぼし」と、子どもたちの願いが交差する心温まる物語です。 色鮮やかなイラストとリズミカルな文章で、4歳のお子さまでも理解しやすく、願いごとの大切さを自然と学べます。 読み聞かせを通じて、親子で願いごとについて話し合うきっかけにもなるでしょう。
【4歳の反応】
「こんな願いがあるんだね!」と自分の願いごとを話すきっかけに。集中して最後まで楽しんで聞いてくれます。
【読み聞かせポイント】
願いごとをテーマにしたあとに、実際に短冊を書く活動へつなげると、より印象深い時間になります。
② たなばたのおはなし
【内容】
七夕の由来をわかりやすく伝える絵本です。 織姫と彦星の物語が、優しい語り口と美しい挿絵で描かれており、4歳のお子さんにも理解しやすい内容となっています。 七夕の行事に興味を持ち始めたお子さんにぴったりの一冊です。
【4歳の反応】
「どうして一年に一回なの?」と自然な疑問が出てきて、行事への興味が深まります。
【読み聞かせポイント】
言葉をかみ砕きながら語るように読むと、幼児でも理解しやすくなります。
③ おりひめとひこぼし:七夕に読む絵本
【内容】
織姫と彦星の物語を中心に、七夕の伝説を紹介する絵本です。 シンプルな文章と親しみやすいイラストで、4歳のお子さまでも楽しく読み進められます。 七夕の夜に読み聞かせることで、星空への興味も深まるでしょう。
【4歳の反応】
絵をじっくり見ながら聞いていて、「これが織姫?」「こっちが彦星だね」と登場人物に感情移入。
【読み聞かせポイント】
星空を想像できるように、読んだ後は空を見上げる時間をとってみるのがおすすめ。
④ みんなのおねがい
【内容】
さまざまな動物たちが、それぞれの願いごとを短冊に書く様子を描いた絵本です。 多様な願いが登場し、お子さんの想像力を刺激します。 明るく楽しいイラストと共に、願いごとの意味や大切さを学べる内容となっています。
【4歳の反応】
「私も〇〇がほしい!」と自分の願いごとをどんどん話してくれるように。
【読み聞かせポイント】
読み終わった後に「〇〇ちゃんの願いは何?」と聞いてみると、子どもたちの世界がぐっと広がります。
⑤ たなばたのおねがい:ラッキーがえるのものがたり
【内容】
ラッキーがえるが主人公の、ユーモラスで心温まる七夕の物語です。 願いごとを叶えるために奮闘するラッキーがえるの姿が、お子さんに勇気と希望を与えてくれます。 楽しい展開と可愛らしいイラストで、読み聞かせにも最適です。
【4歳の反応】
「がんばれー!」と応援しながら聞いてくれる子も多数。笑いあり、感動ありの読み聞かせに最適。
【読み聞かせポイント】
キャラクターの声を変えたり、セリフに抑揚をつけて読むと、より盛り上がります。
七夕絵本を選ぶポイント【4歳児編】
七夕の絵本を選ぶとき、4歳という年齢ならではの発達段階や関心を踏まえることが大切です。ここでは、僕が保育・幼児教育の現場で実際に選書する際に意識している3つのポイントを、詳しくご紹介します。
ストーリーがわかりやすく、長すぎないもの
4歳児は集中できる時間が限られており、物語が複雑すぎると途中で飽きてしまいがちです。登場人物が少なく、展開がシンプルなストーリーを選ぶことで、最後まで楽しんで聞くことができます。
- ✅ 理想は1回の読み聞かせで5〜10分以内で読める分量。
- ✅ 繰り返しのある構成や、会話が多めの作品は、理解しやすく子どもも参加しやすくなります。
イラストが色鮮やかで想像を助けるもの
絵本におけるイラストは、文字だけでは伝えきれない感情や背景を子どもに伝える大切な要素です。とくに七夕の絵本では、星空や夜空、着物、天の川など幻想的な世界観を視覚的に感じられる絵が魅力。
- ✅ 明暗のコントラストがあるページは、「昼と夜」の違いも学べます。
- ✅ 登場人物の表情が丁寧に描かれていると、感情移入もしやすくなります。
「願い」「空」「星」など、想像を広げるテーマ性
七夕の本質は、「ねがいごと」や「天の川をわたる恋の物語」など、現実と空想のあいだを行き来するファンタジー性にあります。現実の行事(短冊を書くなど)と物語世界をつなぐようなテーマが入っていると、子どもたちの想像力をぐんと刺激します。
- ✅ 願いごとに対する問いかけがある絵本は、読後の対話にもつながります。
- ✅ 天の川・星座・夜空など自然や宇宙への関心を育てるものも◎
七夕の前後に行いたい絵本活動
絵本を読みっぱなしにするのではなく、絵本から得たイメージを「体験」へとつなげることが、4歳児にはとても大切です。ここでは、実際に保育の現場でも取り入れて効果的だった、七夕前後におすすめの活動をご紹介します。
① 絵本を読んだあとに短冊を書く
読み終えた直後に、「〇〇ちゃんの願いごとは何?」と聞いてみましょう。絵本のストーリーに影響されたり、登場人物の気持ちをまねしたりしながら、自分なりの願いごとを言葉にすることができます。
- ✅ 短冊はカラフルな紙を使うと、視覚的にも楽しい。
- ✅ まだ文字が書けない子には、大人が代筆、またはひらがなスタンプでもOK!本人が絵を描くのもおすすめ。
② 織姫と彦星を折り紙で作ってみる
折り紙は、指先を使う微細運動を育てるだけでなく、集中力や完成させる達成感も味わえる活動です。完成したキャラクターに名前をつけたり、会話させたりする遊びに発展させると、物語の理解が深まります。
- ✅ シールやキラキラシートなどを用意すると、子どもたちの創作意欲がアップ。
- ✅ 織姫と彦星をつるして、「一年に一度会えるんだよね」と話しながら飾るのも◎。
③ 星座を一緒に探す夜の散歩
晴れた夜にお子さんと一緒に空を見上げて、天の川や夏の大三角(ベガ・アルタイル・デネブ)を探してみましょう。絵本の世界と実際の空がつながることで、物語がよりリアルに感じられます。
- ✅ スマホアプリ(星座図鑑など)を使うと、親子で学びながら楽しめます。
- ✅ お子さんが「これが彦星?」と想像をふくらませる姿は、貴重な学びの時間です。
このような活動は、絵本を読む時間を「一過性の楽しみ」で終わらせず、記憶に残る体験へと育ててくれます。行事の意味や文化的背景を自然と身につけるためにも、ぜひ親子で楽しんでみてください。
まとめ
4歳にとって、七夕は「ねがいごと」と「空の物語」が結びつく特別な行事。
そんな世界を絵本を通して味わうことで、子どもたちの想像力や感情表現もぐっと広がります。
読み聞かせは、ただ物語を読むだけでなく、心をつなぐコミュニケーション。
今年の七夕は、お気に入りの一冊と一緒に、親子の時間を楽しんでみてくださいね。
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