「このおもちゃ貸して!」「入れて!」と言って友だちの中に入っていく、嫌な時には「やめて!」と言える子。
一方、「貸して」と言われたら断れずにおもちゃを渡してしまう、一緒にあそびたくても遠くから見ているだけ、嫌なのか嫌ではないのか分からない子、いますよね。
一言何か言えたら周りにも気づいてもらえるかもしれないのに…
それすらなかなか言えない。
それが我が子だったら…
そこで今回は、自分の気持ちを言えない子どもにしてあげられることについて、書いていきたいと思います。
【お母さんの関わり方が大切】
自分の欲求を表しにくい子には2つのタイプがあります。
1つは、おっとり型の穏やかな子。おもちゃを取られても「あ、取られちゃった」という感じで、自分の欲求自体を自覚していないタイプの子です。
もう1つのタイプは、「自分は~したい」「これはあげたくない」という欲求ははっきりしているけれど、感情を表せず、それを相手に言えない子です。
おっとり型の子は、これから自分の欲求がはっきりしていく段階なので、本人がおもちゃを取られて悔しい思いをするようになるまで待ってもいいと思います。また「取られて悔しかったね」と取られたことと悔しい感情を結び付けて、言葉にして伝えてもいいと思います。
相手に言えない子は、悔しい気持ちは十分持っていますが、相手にどう言ったらいいのか、言い方ややり方が分からないのです。ですから、「イヤな時はイヤって言っていいのよ」「返してって言っていいのよ」と教えていく方がいいと思います。
ポイントは、「その場、その時に具体的に教えていく」ということです。
子どもはあとから「こうすればいいのよ」と言われても分かりません。その困った時こそが、学ぶ場なのです。ですからその場で教えてあげましょう。
ただ気をつけて欲しいのは、子どもに対して「どうしてイヤって言えないの!」と責めるような言い方は避けて欲しいということです。それではプレッシャーになってしまうからです。
【まずはお母さんに伝えられるように】
子どもが自分で「入れて」「イヤ!」など言えるようになるのは、3歳半くらいからです。
もちろん、その子の性格もあるので、大きくなってからもある程度は残るかもしれません。
ただ、「イヤなものはイヤ」と言えるようになった方がいいとは思います。
3歳くらいなら、子ども同士のトラブルはしっかり見ておいてあげて、時には子どもの気持ちを代弁してやります。
おもちゃを取った取られたの関係なら見守ってもいいと思いますが、取られっぱなしのように一方的な場合は介入が必要かと思います。
お母さんが自分の気持ちを分かってくれて、代弁してくれると、子どもは安心感と自信を少しずつ得ていきます。
そうすると子どもは、お母さんには自分の気持ちを言えるようになっていきます。
まずお母さんに、それからきょうだいや家族、親しい友達と、少しずつ「言える」人の範囲を広げていけたらいいと思います。
【おすすめの絵本】
そんな子には『だっこ だっこ ねえ だっこ』という絵本がオススメです。(心理学者 秋田喜代美先生 推薦)
この絵本には、いろいろな動物が親に抱かれて幸せな気持になっている姿が描かれています。
親子で読むと、親も笑顔でそっと我が子を抱きしめたくなるのではないでしょうか。
最後のページには赤ちゃん2人を、お母さんがぎゅっと抱きしめてあげている姿があります。
どんな子どもも、お母さんから抱きしめられることで元気をもらって、外の世界に出ていけるのです。
子どもをぎゅっと抱きしめることで、勇気を与えてあげて下さい。
お母さんの気持ちやぬくもりが、子どもに元気と勇気を与え、自分を表したり、外に出ていくことのできるエネルギーとなるのではないかと思います。
【まとめ】
今回は、自分の気持ちを言えない子どもにしてあげられることについて書いてきました。
大切なことは
・その場で言い方、伝え方を教える
・責めるような言い方はしない
・子どもの気持ちを受け止め、代弁する
・まずはお母さんに伝えられるように
ということです。
しっかり受け止めてもらえた子は、自分の気持ちを素直に表現できるようになっていくと思います。
たくさん手をかけ、愛情を注いであげて下さい。
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