絵本を読み始めたけど、全然聞いてくれない。
気づけばページをぐしゃぐしゃ、ビリビリ…。
それどころか、なめたり、かじったり、投げたり――。
「こんな状態で絵本って意味あるの?」
「もう読むのやめた方がいいのかな…」
そんなふうに悩んでしまう親御さんはとても多いです。
でも実は、0〜1歳の赤ちゃんにとっての“絵本”は、大人の思うものとはちょっと違うんです。
この時期に大切なのは、「きちんと読むこと」よりも、
絵本を通して声・手ざわり・ぬくもりに触れること。
この記事では、保育歴20年以上の筆者が、
・絵本を読まない・破る・かじる理由
・その時期の関わり方
・かんでもOKのおすすめ布絵本
をやさしく丁寧に解説します。
絵本を“読まない・かじる・破る”のは普通の姿
「せっかく読み聞かせしてるのに聞いてくれない」
「ページを破るばかりで、落ち込んでしまう…」
そんなお悩み、よく聞きます。でも安心してください。
0〜1歳の赤ちゃんにとって、絵本は「読むもの」ではなく、触って確かめるもの・味わうもの・投げて音がするものなんです。
つまり…
📌 絵本をかじる=五感で確かめている証拠
📌 ページをめくる・破く=手先の発達中
📌 聞いてないようでも、大人の声はしっかり届いています
この時期の“絵本との付き合い方”は、「読むための練習」ではなく、遊びや心地よさの一部でいいのです。
親ができる3つの工夫
① 無理に読まない。「ながら読み聞かせ」でOK
赤ちゃんが寝転がっていたり、遊んでいたりする時に
「ちょっと読むね〜」くらいの気軽さで◎
→ **“読んで聞かせる”より、“声を届ける”**が大切
② ビリビリOKの絵本を用意する
紙の薄い絵本はすぐ破けます。破るのが好きな時期は、厚手で丈夫な絵本や布絵本を「遊び用」として渡してあげましょう。
→ ビリビリが好きな時期は「破っていい本」も用意
③ 絵本を奪われてもOK。大人は“静かに続ける”だけ
ページを奪われたら、にこっと笑って「じゃあここから読むね」と続ける。
絵本は“やり取りのツール”と思えば、奪われてもOK!
→ 子どもは親の**「心地よい声」と「笑顔」**に安心していきます
ビリビリ・カミカミ時期におすすめの絵本5選
① 『あかあかくろくろ』
作:たかい よしかず(学研)
👶 はっきりしたコントラストで0歳から注目されやすい!
- 厚紙ボードブックで破れにくい
- 「見る力」がぐっと育つ
- 赤ちゃんがじーっと見つめるファーストブックに◎
② 『もいもい』
監修:東京大学あかちゃんラボ(ディスカヴァー)
👁🗨 赤ちゃんの目がくぎづけ!しかも理由は“科学的”に実証済み。
- 曲線的な図形と色合いが赤ちゃんの注視をひき出す
- 文字はなく、親の自由な声がけで楽しめる
- かじっても安心な厚紙製
③ 『じゃあじゃあびりびり』
作:まついのりこ(偕成社)
📣 擬音が豊かで、破る音や水の音に「おっ!」と反応
- 擬音に合わせて動きを真似したくなる
- 破ること自体も楽しんでOK
- 繰り返し読むうちに言葉も育っていく
④ 『ぴょーん』
作:まつおかたつひで(ポプラ社)
🐸 ページをめくると、ぴょーん!
- ページをめくる楽しさ=参加型しかけ
- 子ども自身が絵本を上下に動かして楽しめる
- 飽きずに繰り返し楽しめる1冊
⑤ 『くっついた』
作:三浦太郎(こぐま社)
👩👦 読みながら親子で「くっつく」時間をつくれる
- 絵本が終わるたびに“ぎゅっ”とできる
- 読まなくても、絵を見ながらくっつくだけでOK
- 壊れにくく持ち運びにも便利
📘 かんでもOK!0〜1歳におすすめの布絵本4選
① 『はらぺこあおむし ソフトブック』
(エリック・カール/フィッシャープライス)
🟢 人気絵本『はらぺこあおむし』がそのまま布絵本に!
- やわらかい素材でかんでも安心
- カサカサ音・歯固め・鏡・タグつきの五感刺激たっぷり
- ベビーカーに吊るせてお出かけにも◎
✅ 洗濯OK・軽くて持ち歩きやすい!
② 『しましまぐるぐる 布えほん』
(学研)
👶 ベストセラー絵本『しましまぐるぐる』の布版!
- コントラストの強い色合いで視覚刺激も◎
- ひも付き・鈴入り・めくれるページで“手あそび”も
- 丸洗いOKでお手入れ簡単
✅ 歯が生えかけの時期にもぴったり
③ 『布えほん いないいないばあ』
🧸 赤ちゃんに大人気の布えほん!
- 表紙はやわらか素材で安心設計
- めくると「ばあっ!」と顔が出てくる
- 音の鳴る素材が赤ちゃんの手遊びに最適
✅ シンプルで飽きのこない構成が◎
④ 『Sassyのあかちゃんえほん にこにこ』
(Sassy/KADOKAWA)
🌈 赤ちゃんが大好きなカラフル世界×布素材!
- カラフルなデザインと歯固め・ミラー・カサカサ音つき
- ひもやタグも多く、手指刺激に◎
- ベビーカーやチャイルドシートにもつけられる
✅ 見た目もかわいく、出産祝いにも人気のシリーズ
布絵本は「絵本の前の絵本」
布絵本は、赤ちゃんが初めて出会う「絵本の原体験」。
かじって、なめて、振って…
まずは五感を使って“遊びの延長”で楽しめればOKです。
📌 「破られるのがイヤ」で絵本を遠ざけるのではなく、
かじっても大丈夫な絵本から始めることで、
絵本が「安心して触れられるもの」になっていきます。
まとめ:読む前に“遊ぶ”でOK。絵本の時間は、心の時間
絵本は、「しっかり読むこと」が目的ではありません。
親の声・ぬくもり・表情と一緒にあることで、
子どもの心のなかに「絵本っていいな」が育っていくのです。
ビリビリでもいい
かじってもいい
めくられてもいい
その全部が、絵本との出会いの一歩です。
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