はじめに:怒るつもりじゃなかったのに…
「そんなつもりじゃなかったのに、つい大きな声を出してしまった…」
「本当はごめんねって言いたいけど、どう声をかけたらいいのかわからない…」
子育てをしていると、そんな後悔の気持ちに襲われること、ありませんか?
僕自身も、子どもに対して感情的になってしまい、「なんであんな言い方しちゃったんだろう」と落ち込むことがありました。
でも、まず伝えたいのは――怒ってしまったからといって、あなたがダメな親というわけではないということ。
今回は、「感情的に怒ってしまったあと、どうリカバリーしていくか?」をテーマにお話ししていきます。
「怒らない親」じゃなくていい
人は、感情のある生きものだから
子どもに対してイライラしてしまうのは、ごく自然なことです。
大事なのは、「怒らないようにしよう」と完璧を目指すことではなく、
怒ってしまったあと、どうやってもう一度つながるかを考えること。
親だって人間。感情を持つからこそ、悩むし、後悔するし、そしてそこから学べるのです。
怒ってしまったあとにできる4つのこと
① 子どもに謝る。それは“弱さ”ではなく“強さ”
「さっきは大きな声で怒ってごめんね」
この一言が、子どもに安心感を与えてくれます。
謝るのは、負けではありません。
関係を修復する力のある、大切なアクションです。
② 言い訳より、「あなたのせいじゃない」と伝える
「疲れてたから」「忙しかったから」――理由を説明したくなることもあります。
でも、子どもが求めているのは“説明”よりも“安心”。
「あなたが悪いわけじゃないよ」
この一言だけで、子どもの心はぐっと軽くなります。
③ スキンシップや声かけで、関係をつなぎ直す
叱ったあとこそ、抱っこしたり、目を見て話したり、
「大好きだよ」「大切だよ」と伝える時間を意識してつくってみてください。
関係のリカバリーは、“次のつながり”から始まります。
④ 自分自身にも「おつかれさま」を
怒ってしまったあと、罪悪感でいっぱいになるかもしれません。
でも、あなたも一生懸命だったんです。
「今日もよくやったね」と、自分に優しく声をかけてあげてください。
おすすめの育児書・絵本
- 『子どもへのまなざし』 佐々木正美 著
僕が尊敬する児童精神科医・佐々木正美氏が、子どもの心に寄り添う大切さを説いた育児書です。 親としての自分を責めすぎず、子どもとの関係を築くヒントが詰まっています。
- 『子どもはみんな問題児。』 中川李枝子 著
親子のコミュニケーションに悩む方に向けた一冊。 感情的になってしまった後の対応や、子どもの気持ちを尊重する方法が具体的に紹介されています。
- 『おこだでませんように』 くすのきしげのり 作、石井聖岳 絵
怒られてばかりの男の子が主人公の絵本。 子どもの視点から親の愛情を求める気持ちが描かれており、親子の絆を再確認できます。
- 『ちょっとだけ』 瀧村有子 作、鈴木永子 絵
妹が生まれたばかりのお姉ちゃんが、少しだけ我慢する姿を描いた絵本。 子どもの健気な気持ちに触れ、親としての在り方を考えさせられます。
- 『だいじょうぶ だいじょうぶ』 いとうひろし 作
おじいちゃんが孫に「だいじょうぶ」と語りかける絵本。 日常の中での安心感や、親子の温かいつながりを感じられる一冊です。
おわりに:大事なのは「戻れる」経験
子どもにとって大切なのは、怒られたことそのものよりも、
そのあとに「また仲直りできた」という経験を積み重ねること。
つい怒ってしまっても、大丈夫。
その後の一言、ちょっとした行動で、ちゃんとリカバリーできます。
完璧な親じゃなくていい。
つながり直せる親を、いっしょに目指していきましょう。
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