子どもが最近よくしゃべるようになってきたけど、なめらかに言葉が出なくてしゃべりにくそう…
言葉に詰まることが多い…
などお子さんのしゃべる様子で気になることはありませんか?
もしかしたら「吃音」かもしれません。
吃音は大抵は自然と治っていくと言われていますが、関わり方を間違えると酷くなってしまうこともあります。
そこで今回は子どもの吃音についてまとめてみました。
【言葉がすぐ出てこない】
吃音は、話し言葉がなめらかに出てこない状態のことを言います。
吃音には以下の3つのタイプがあります。
①音の繰り返し(連発)
→「お、お、お、お、おかあさん」
②引き伸ばし(伸発)
→「おーーーーおーかあさん」
③言葉が出ずに詰まってしまう(難発)
→「……、おかあさん」「お、……かあさん」
最初は軽い繰り返しから始まることが多く、子どもがよくおしゃべりするようになったと感じる3歳ごろに始まることが多いと言われています。
◇吃音の特徴と考えられる要因◇
吃音の特徴
- 2語文以上の複雑な発話をする時期に起こりやすい
- 発症率(吃音になる確率)に国や言語による差はない
- 有症率(吃音のある人の確率)は、全人口において約1%
- 男の子(男性)に多く、男女比は4対1である
吃音の要因
①体質的要因
体質的要因は、子ども自身が生来持っている体質的なもの、その他、家族の中にも吃音で話をする人がいるなどがあります。
②発達的要因
発達的要因には、身体、認知、言語、情緒が急速に発達する時期の影響を受ける場合があります。
③環境要因
環境要因には、周囲の人との関係や生活上の出来事などがあります。
【吃音かなと思ったら…】
幼児期に現れる吃音は、7~8割は自然に治ると言われています。吃音が現れ始めた当初、子ども自身は言葉を軽く繰り返すくらいであれば、自分の症状に全く気づかないことがほとんどです。
友だちと話している時に笑われたり、大人に「ゆっくり話してごらん」と注意されたりすることで、うまく話せていないことに不安を感じるようになってしまいます。
そうなると、自分の言葉の出づらさを意識するようになったり、話す前に不安を感じたり、吃音が出ることを恥ずかしく思ったりするようになります。
吃音には「これをすれば必ず治る」という治療法はありません。対応に悩んだ時は、早めに専門機関や言葉の教室などにいる言語聴覚士などの専門家に相談することをおすすめします。
【関わり方のポイント】
言い直しをさせないようにする
吃音が出ている時に「落ち着いて」「ゆっくり話そう」「もう一回言って」など言い直しはさせてはいけないと言われています。
一生懸命に話している言葉を言い直しさせられることは、子どもにとっては大変恥ずかしく、辛いことです。
次に話し出す時に「また詰まったらどうしよう」と躊躇してしまいます。
気にせずゆったりとした気持ちで接する
吃音を気にするそぶりは見せず、普通の会話のように「うんうん、そうなの」とゆっくり応答してあげて下さい。
親が不安げな表情を見せると、子どもは負担感が増します。子どもの負担を和らげるためにも、親はさらりと聞くようにしましょう。
親がゆったりとした気持ちで構えることによって、子どもは安心して話ができるのです。
言いたいことの内容を受け止める
子どもが詰まりながら話していると、親は話を最後まで聞かないで「あなたが言いたいことはこういうことでしょ?」と遮ってしまいがちです。
このような対応も、子どもが話す意欲を失わせてしまいます。
子どもの話を最後まで聞いてあげて、言いたかったことは何だったのかを受け止めることが大切です。
きょうだい、家族にも協力してもらう
親が気をつけていても、きょうだいなどが笑ったり真似をしたりしてしまうと、その子は自分の吃音を意識してしまいます。
そのような場合は「○○ちゃんは言葉が少し詰まるけど、一生懸命話しているのだから、お兄ちゃんも気にしないでいてあげて」などと伝え、吃音のある子の言葉を遮ったり、先回りしないで、話を最後まで聞くように強力してもらうのがいいですね。
「お兄ちゃん、きちんと話を聞いてくれているね」と、きょうだいを認めることも大切です。
たまにしか会わない祖父母や親戚には、前もって対応を伝えておくといいと思います。
【まとめ】
おしゃべりがたくさんできるようになる3歳くらいの時期は、吃音が出やすい時期でもあります。
でも周りが気にしなければ、ほとんどが自然と治っていくものです。
あまり神経質になりすぎず、おおらかに接してあげるのがいいと思います。
周りの関わり方で症状が大きく変わってしまうので、周りの理解も必要ですね。
また、なかなか治らなければ専門家に相談することをおすすめします。
少しでもお子さんが生活しやすくなって欲しいですね。
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