子どもに「一人前の大人」になってもらうために、小学生の時くらいからしておくといいことって何だと思いますか?
厳しくしつけること?
あそぶ時間を削って塾に通わせること?
違うんです…
教育カウンセラーの諸富祥彦さんは次のように言っています。
それは『家事のお手伝いをさせること』なんだそうです。
そこで今回は教育カウンセラーの諸富祥彦さんの著書「男の子の育て方」を参考に、男の子のお手伝いについてまとめてみたいと思います。
【お手伝いで身につく3つの力】
①「フットワーク力」が身につく
小学生くらいの男の子ってちょこまかしていますよね。よく動きます。
それを「働くモード」に持っていくことが大切なんです。
つまり、体を動かして働く(お手伝いをする)習慣を身につけておくことです。
お手伝いで動くということが習慣化していると、大人になってからも、何か行動を起こす時に面倒くさがらずにできるフットワークが身につくことと思います。
②「役割を果たす喜び」「みんなの役に立つ喜び」が体験できる
与えられた家事をしっかりこなすことによって、「ぼくは自分に与えられた役割をきちんと果たすことができる」「みんなの役に立てる存在だ」と自信が育ちます。(これらを「自己有用感」「自己貢献感」といいます)
その自信が大人になってから、「社会の中で役に立つ喜び」を育み、「働くことで自分の価値を実感したい」という気持ちを育てていくと言われています。
だから、この「人の役に立つ喜びの体験」が大切なんですね。
③「困難に立ち向かう力」を育てることができる
お手伝いを通して得た自信は、将来さまざまな困難を乗り越えていく原動力になります。
勉強やスポーツでも子どもの自信をつけることができますが、勝ち負けがないという所がお手伝いの良さです。
お母さんにとっては、男の子に手伝いを頼むより、自分でやってしまった方が早いと思ってしまうかもしれませんが、将来「一人前の大人」になって欲しいのなら、ぜひ「お手伝い」をさせてあげて下さい。
でもどんなふうにお手伝いを頼んだらいいの?
例えば、食事でサラダを食べる時…
あらかじめドレッシングを用意しておくのではなく、お子さんに自分で冷蔵庫から取ってもらうようにしましょう。
そして「次はお母さんが言わなくてもテーブルにドレッシングを出してくれるとうれしいな、○○くんならできるよね?」と。
お願いしつつ、でも自発的にお手伝いできるような言葉がけですよね。
【5歳までにお手伝いを習慣化させるといい】
家事の手伝いは習慣性の強いものです。
毎日やっていればそれが当たり前になっていきます。
でも、突然「今日からお手伝いお願いね」と頼まれても「なんで?」と面倒に感じられてしまいますよね。
そこでお手伝いはなるべく早い時期から、できれば4~5歳までに習慣を身につけておくといいかもしれませんね。
こんな工夫でお手伝いを習慣化しましょう。
2歳くらいの子なら、「このゴミ、ポイしてくれるとうれしいな」と頼んだり、花の水やり、タオルを二つ折りにするなど、簡単なことから始めてみるといいですよ。
子どもは、親の喜ぶこと、役に立つことをするのが大好きですからね。
男の子にお手伝いを頼むときの4つのポイント
①失敗するのを前提に
男の子にお手伝いをさせる目的って何だと思いますか?
それは…
試行錯誤の経験を積ませることです。
「男の子の手伝い=失敗するもの」という前提でいましょう。
お母さんはつい「お手伝い=お母さんの役に立つこと」と考えてしまうと思いますが、男の子はそんな思った通りには動いてくれませんよ。
そこで、教育カウンセラーの諸富祥彦さんは次のように言っています。
「上手にやれる」と期待するからイライラするのです。お手伝いを始めた時点では「失敗は当たり前」「後で私がやり直す」ことを前提にお手伝いをお願いしましょう。
②失敗しても叱らない、イライラをぶつけない
お子さんが失敗したとき
❌「だからいったでしょ!」
❌「よけいなことするからよ!」
これでは、お母さんを喜ばせようと一生懸命お手伝いしたお子さんも「もうお手伝いなんかしたくない」「どうせ僕なんか役に立たないんだ」となってしまいますよね。
そこで
⭕️「びっくりしたね?大丈夫よ。今度はうまくできるといいね」
⭕️「失敗しちゃったけど大丈夫よ。がんばってお手伝いしてくれてありがとう」
と励まして「失敗してもいいんだ」と思えるようにしてあげて下さい。
③失敗した後の片づけ方を教え、正しいやり方を考えさせる
子どもが失敗したときは、叱らず一緒にやってあげながら、具体的な始末の方法を教えてあげて下さい。
そうすれば「失敗したって終わりじゃない。もっとうまくやる方法を学べばいいんだ」と前向きな気持ちになれると言われています。
もし余裕があれば「どうすればうまくできたかな?」「今度はどうすればいいと思う?」とやり方を考えさせるのも効果があるそうです。
お子さんが次にやる時、自分で考えた方法で成功すれば、大きな自信にもなりますよね。
④たとえやりなおしても、子どもには言わない
「お母さんがあとでやり直しておくからいいわ、置いといて!」
「下手ね!やりなおさないといけないじゃないの!」
と言いたいのはグッと我慢。
もし間違っていたら後でさり気なく直しておいてあげて下さい。
【ごほうびのあげ方のコツ】
教育カウンセラーの諸富祥彦さんはごほうびに関しては次のように考えています。
子どもにごほうびをあげることは、そう悪くはないと思います。
「みんなの役に立つこと(お手伝い)」をすれば「自分にいいこと(ごほうび)」が返ってくる、ということを学ばせることができるからです。
でもご褒美をあげるのにはコツがあります。
「ごほうびがないとお手伝いをしなくなった」
「お手伝いが中途半端なのでごほうびをあげなかったら、子どもがやる気をなくしてしまった」
こんなことにならないように、次の3つに気をつけながら効果的にごほうびをあげましょう。
①お手伝いの内容とポイント数(ごほうび)は子どもと相談して”具体的に”決める
何をお手伝いするかは、可能な限り子ども自身に選ばせるといいそうです。
それは自分で決めたことを自分で達成する訓練になるからです。
「お皿を洗う」のようなあいまいな決め方はダメ。
1枚洗って終わりなんてことに…
なので「自分からお皿を全部洗えたら3点」「頼まれて洗ったら2点」「途中でやめたら1点」といったように、内容とポイントをできるだけ具体的にき決めておくといいそうですよ。
②ごほうびは「お金」より「モノ」にする
ごほうびとしてお小遣いをあげるのも悪いことではありません。
でも、小学生くらいの子どもの意欲をうまく引き出すには、一つひとつのがんばりにすぐにシールなどのポイントによる報酬を与え、それがたまったら現物と交換するのが効果的と言われています。
例えば「5ポイントでチョコレート1枚」「5ポイントでゲーム30分」のように…
もしゲームソフトや自転車など高価なものを欲しがったら「100ポイント」などポイントを高く設定すればいいと思います。
小学生のうちはこれでいいのではないでしょうか。
中学生に名なったら、普段のお小遣いは定額制で与え、少し高価なものは、がんばりに応じて買い与えるというのも一つの方法です。
③「ありがとう、お母さんうれしい」と感謝の気持ちを伝える
これが一番大切なポイントと言われています。
子どもが自発的にお手伝いするという気持ちを育てるには…
お手伝いしてくれた直後に「ありがとう、きれいになったね」「とっても助かったわ」「手伝ってくれてうれしいな」という感謝の気持ちをこまめに伝えていくことが大切です。
子どもは、ごほうび以上に「お母さんの喜ぶ顔を見たいから」お手伝いするようになるんですね。
よく「ごほうびなしだと、お手伝いをしなくなってしまい、困っている」ということがありませんか?
それは、この「感謝の気持ちを伝えるありがとう」が足りないからなんです。
「お手伝いするのが当たり前」にならないよう、「ありがとう」をしっかり伝えていきましょう!
【まとめ】
今回は男の子のお手伝いについてまとめてみました。
お手伝いでは
・自分から動くフットワークの軽さを身につけ、
・人の役に立つ喜びを感じ、
・困難に立ち向かう力を育てることができるんです。
そのためにも早いうちから、お手伝いの習慣を身につけておくといいですね。
でもお手伝いが当たり前にならず、常に「ありがとう」の気持ちを忘れずに伝えていってほしいなと思います。
そして、お子さんもお母さんもハッピーな関係を築いていって下さい。
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