小学校に上がって少しは落ち着くかな?と思っていたら…
毎日同じことで叱っている…
こんなので大丈夫?
とお子さんの姿を見て心配になっているお母さんもいるかと思います。
今回は教育カウンセラーの諸富祥彦さんの著書「男の子の育て方」を参考に、7~12歳ごろの男の子の育て方をまとめてみたいと思います。
【この時期の親の態度が、困難を乗り越える力を育てる】
子どもが小学校に入学してからの5~6年間は、お子さんとの「ラブラブ期」の雰囲気をキープしながら、「しつけ」を行っていく時期です。
(※「ラブラブ期」に関してはこちらの記事をご覧ください。→『男の子の育て方が分からないというママに…0~6歳まではこう育てる』)
特に小学校低学年は「しつけ」をきちんとおこなうべき時期です。
「世の中のルール」「やるべきこと」「やってはいけないこと」を教えていきましょう。
その中で、お母さんに守って欲しい3つのポイント
①親が何でも肩代わりしない
②子どもに自分の失敗の責任を取らせる
③解決方法を自分で考えさせる
小学生の男の子についしてしまいがちなのが、怒鳴ったり怒ったりしながらも、結局甘やかして親が尻拭いをしてしまうやり方です。
これをくり返していると、子どもの中には「結局お母さんがやってくれる」と思うようになり、自分の行動に無責任な子どもに育ってしまいます。
子どもの忘れ物を例にとってみましょう
例えば子どもが忘れ物をした時、親は届けない。
そういう時子どもは、先生に言ったり、友だちに「貸して」と頼んで自分で解決するしかありません。
その結果、それを避けるために「次からは忘れ物をしないようにしよう」と思うのです。
何でもお母さんが尻拭いをしていると…
先生に怒られながらも、「結局お母さんが何とかしてくれる」と思うようになってしまいます。
その経験をくり返していくことによって「お母さんが起こしてくれないから寝坊したんだ」といったように、自分に責任があるとは考えず、他人のせいにする習慣がついてしまうのです。
そんな子が大人になったらどうなると思いますか?
・アルバイトに遅れそうなとき…お母さんに電話してもらおう
・仕事で重要な書類をなくしてしまってもどうしたらいいか分からず、放置してしまう
こんな無責任な大人になってしまいます。
では、お子さんが将来そうならないためにはどうすればいいのでしょう?
もし忘れ物をしてしまった時は「何でいつもそうなの!」と叱って終わるのではなく、「忘れ物をしないためにはどうしたらいいと思う?」と、子ども自身に考えさせるといいそうです。
・持ち物は前の日の夜までに用意しておく
・玄関に置いておく
・朝もう一度見直す
など…方法はいろいろあります。
子どもからアイデアが出なかったら、お母さんから方法を出してあげてもいいと思います。
ただ、こうしていてもすぐには問題は解決しません。
決して焦らないで下さい。
教育カウンセラーの諸富祥彦さんは次のように言っています。
「子育てで大切なのは根気です。失敗をゼロにすることではなく、失敗したときどうすればいいのか、自分で考えさせるトレーニングを積むことです」と。
【チャレンジしようとする意欲を育てる】
チャレンジしようとする意欲 =「勇気」と考えることができます。
心理学者のアドラーは「勇気のある子ども」には次のような特徴があると考えています。
・困難を克服しようとする
・失敗しても、自己嫌悪に陥らない
・できるか分からないことにチャレンジする
・自分1人だけでやろうとせず、人と協力しようとする
これが「勇気がある」男の子です。
ここで子どもの「勇気」を奪ってしまう代表的な5つのNGワードを紹介します。
①「どうしてあんたは○○できないの?」「何でいつもそうなの?」
子どもは親を困らせようとか、わざと宿題を忘れようとかしているわけではありません。「何で?」と聞かれても困ってしまうだけです。
②「何度言っても分からない子ね」「バカじゃないの?」
言われた子は、悔しさから反発するか、「どうせボクはダメな子なんだ」と自信をなくしてしまうだけです。
③「もうっ、片づけてよ!」「いつになったら1人でできるの?」
怒った口調でこんなことを言われ続けると、いくら自分が悪いと分かっていても素直になれず不満に思ってしまいますよね…。もしお子さんがおもちゃを散らかしていたら「ここにしまおうか」、シャツが出ていたら「ズボンの中に入れようか」と、普通に言えば済むことです。
④「言うこと聞かないと置いていくよ」「早く寝ないとオバケが出るよ」
これはただの「脅し」です。こんな意地悪なことを言われたら素直になれませんよね。子どもはそれが単なる脅しと気づいたら、言うことを聞かなくなってしまいます。
⑤「そんな変なことしなくていいの!」
男の子ってお母さんからすると、余計なことばかりしているように見えます。
道を歩いていると高いところに上がったり、アリの行列をいつまでも眺めていたり…。でもそれはもしかすると、冒険心やチャレンジ精神、科学的好奇心の現れかもしれませんよ!
いつもこういった行動を否定され続けていると「どうせやったら怒られるから」と、したいこともできなくなり、無気力で覇気のない子どもになってしまいます。お子さんが「自分からやりたがる」こうした行動に根気強く付き合ってあげて下さいね。
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【「ほめる子育て」から「ともに喜ぶ子育て」へ】
最近では「ほめて育てる」が教育の主流ですよね。
しかし、教育カウンセラーの諸富祥彦さんは次のように言っています。
「ほめられる」ということは、1つの「ごほうび」ですから「ごほうびがもらえない」=「ほめられない」と動かない子どもになってしまう可能性があるというのです。
例えば、「ほめられたいからゴミを拾う」子は、「誰も見ていなければ、ほめられないからゴミを拾わない」子になってしまうということです。
そのためには「ともに喜んで育てる」ことが大切です。
子ども目線で喜びを共有する
子どもって、お父さんお母さんの喜ぶ顔が見たいからがんばろうと思うものですよね。
子どもががんばった時に親が「お母さんはうれしいよ」というメッセージを伝えれば、子どもに自発的なやる気が育つそうです。
他の子や兄弟と比べてほめない
一番よくないのは、お子さんが他の友だちや兄弟に「勝った時だけにほめる」やり方です。
ただでさえ、子どもたちは学校や塾で競争しなくてはいけないことがいっぱい…。お父さんやお母さんまで、他の子との勝ち負けにこだわってしまうと、お子さんは、人に勝った時にだけ満足し、負けると自分には何の価値もないように感じるようになってしまうと言われています。
もし比べるのなら、以前の自分と比べるようにしてあげて下さい。
ほめる時は、すぐその場で
教育カウンセラーの諸富祥彦さんは、子育ての基本は「ともに喜ぶ」ことと言っています。
でも、子どもは「ほめられたくてがんばっている」時もあります。そんな時は上手にほめてあげることも大切。
そのコツは
①すぐにほめる
②目を見てほめる
③時には頭をなでながら
の3つです。
10歳くらいまでは「頭をなでながら」も効果的。
ほめ言葉が、タッチングされる安心感とセットになり、子どもの心に届きやすくなるそうです。
ほめると言っても、どうほめればいいのでしょうか?
ほめる時のポイントは、子どもの「行動」をよく見て「具体的にほめる」ことです。
子どもも大きくなってくると「すごいね」「えらいね」などの言葉では、心に届かなくなってきます。
例えば
「絵が上手に描けていたね」ではなく「色を変えて何回も塗り重ねていたね」
「テストで100点取ってすごいね」より「毎日ご飯の前に勉強がんばっていたよね」
と子どものがんばっていたところを具体的に認めてあげて下さい。
そのためには子どもの普段の様子をよく観察しておくことが大切ですね。
【叱る時の3つのポイント】
叱るのは命や怪我の危険がある時だけでいいんです。
小学校くらいの男の子なら、学校からもらってきたプリントを出し忘れていたということはよくあることではないでしょうか。
またもう少し小さい子なら、
・「走ったらダメ」と注意したすぐあとに走って転ぶ
・「食べ物であそんだらダメ」と言った直後に食べている物を投げる
・「散らかすのをやめなさい」と言ったそばから散らかしていく
など…
これが命に関わることでしたら、「絶対にしてはいけない」という強い態度で望まなければいけません。
でも「プリントを出し忘れる」「片づけをしない」といったことは、親をイライラさせることではあっても、命に関わることではありません。これは厳しく叱りつける必要はないのです。
男の子を育てるには何より、親の根気が必要と言われています。
上記の例なら「プリントをちゃんと出してくれないとお母さんは困るの。今度からは出してね。」と繰り返し、粘り強く話していく必要があります。
何度もくり返し言い聞かせる練習を重ねていくことで、お子さんと一緒に成長していけることと思います。
どうしても叱らないといけない時は…?
どうしても叱らないといけない時には3つのポイントがあります。
①人格や存在を否定することは言わない
②何で叱られているのかを説明する
③次、叱られないためにはどうすればいいか教える
このように具体的に教える方が、ただ叱るより、子どもの行動はずっと改善されやすいと言われています。
【まとめ】
今回は7~12歳、ちょうど小学生くらいの男の子の育て方について書きました。
どうしても男の子ってお母さんに叱られやすいことをしますよね。
時々お母さんにも理解しがたいことをしたり…
でもそんなところが可愛かったりしますけどね。
お子さんが、たくさん甘えながら、のびのびと好奇心旺盛に育っていくことを願っています。
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