4歳ごろになると、子どもであってもストレスが溜まりがちになる子もいます。
そのストレスが知らず知らずのうちに表面に出たものが癖です。
指しゃぶりや爪噛みは癖の中でも目立つものなので気づきやすいです。
それを見て「子どもが何かストレスを感じているのかもしれない」と感じる親御さんも多いと思います。
そこで今回は子どもの癖とストレスとその対処法についてまとめてみたいと思います。
【子どもとストレス】
子どもにも自分の世界や人間関係があります。
全くストレスのない状態で生活するという訳にはいきませんよね。
どの子でも少なからずストレスがあり、指しゃぶりや爪噛み以外の方法でストレスを解消している場合も多くあります。
しかし、癖は子どもが発する何かしらの「SOSのサイン」である可能性も完全に否定することはできません。
癖だけでなく、体調や仕草、表情、話し方に変化はないか、子どもがストレスを抱えていないかなどを観察し、配慮するようにしてあげてください。
癖はやめようと思ってもすぐにはやめられない
やめるように指摘をすると子どもは逆に気になって、癖の頻度が増えてしまうことがあります。
「赤ちゃんになっちゃったの?」などのように責めるような諭し方をすると、人に見えないところでするようになってしまいます。
癖をやめさせる対応方法は?
一度でいいのでしっかりと「やめようね」と子どもに話をしましょう。
その後は、子ども自身も親の話を理解していると考えてしばらくは様子を観察しましょう。
【①指しゃぶり】
3歳くらいまで残る子どもの指しゃぶりは、赤ちゃんの時の「母乳を吸う」という本能の名残です。
たいてい自然に減っていくので焦らず温かく見守るといいです。
その後もまだ続いていても、幼稚園や保育園の入園を機に、指しゃぶりが減っていくことも多いです。
また、指しゃぶりをしている姿を恥ずかしい、友だちに見られたくないという意識も芽生えてきます。
この時期になっても頻繁に指しゃぶりが見られる場合は、以下のようなことを実践して少しずつ減らすような対応をしていきましょう。
(1)外あそびや運動をしっかりさせる
退屈していたり手持ち無沙汰なときに、指しゃぶりをしたり、おしゃぶりを欲しがります。
体をしっかり動かしてエネルギーを十分に発散させることで対処できることがあります。
(2)手あそびや歌を楽しむ
手指を使ったあそびを頻繁にしているうちに、指しゃぶりが自然に減っていきます。
大人と一緒に話をしたり歌を歌ったりすれば、指しゃぶりをする頻度も減ると思います。
(3)寝つくまで手を握ってスキンシップをする
「退屈な時」や「眠りにつくとき」が指しゃぶりをしやすくなるときです。
そんな時は子どもの手を優しく握って話しかけてあげましょう。
指をしゃぶらなくても安心して眠れるように習慣づけましょう。
(4)絵本の読み聞かせをする
子どもが眠くなった時には、読み聞かせも効果的です。
1冊だけでなく子どもが満足するまで読んであげると、眠り際まで大好きな親の声・愛情に包まれて安心して眠ることができます。
(5)タッチケアも効果的
子どもを寝かしつける時に体を優しくさすってあげるタッチングもおすすめです。
子どもの気持ちの安定やスムーズな入眠に効果的でストレスを軽減できます。
【②チック症】
チック症とは、無意識のうちに突然出てしまう素早く短い体の動きや声をくり返すものです。
大きく分けて運動チックと音声チックの2つがあります。
運動チック
・目をパチパチさせる
・白目をむく
・鼻をヒクヒクさせる
・口を開けたり曲げたりする
・首を振ったりすくめたりする
・腕をピクンとする
・足をバタンとする
・お腹をヒクヒクさせる
音声チック
・風邪をひいているわけではないのに咳払いをくり返す
・「アッ」とか「オッ」というような声を出す
・鼻をクンクン鳴らす
・わいせつな言葉などの社会的に容認しがたい言葉を、言ってはいけないと分かっているのに言ってしまう(汚言症)
チックの原因は完全には明らかになっていませんが、5~10人に1人は一時的にチック症を呈していると言われています。
一時的な症状は6~7歳に多く見られますが、症状が軽ければ子どもも困りません。
そのような場合は家族もチック症とは認識せずに「癖」と思える程度で病院を受診する必要もないと思います。
【③夜泣き】
夜泣きは、寝ていた子どもが夜中に突然起きて泣き出すことを言います。
夜泣きは生後3~6ヶ月から始まり1歳半~2歳頃に終わることが多いようです。
しかし3~4歳の幼児期になっても寝ている途中で泣き出すことも珍しくはありません。
幼児期の夜泣きは、「赤ちゃんの夜泣き」とは別のもので、夜驚症と呼ばれる睡眠障害の可能性もあります。
成長過程で一時的に脳が混乱することが原因ではないかとも言われています。
ただ夜泣きは基本的には成長するにしたがって自然に治まっていくものなので、多くの場合特別な治療は必要ありません。
短い睡眠サイクル
幼児期はまだ睡眠サイクルが出来上がっておらず、大人に比べて眠りが浅いため、夜中にすぐ起きてしまいます。
子どもが大人の睡眠サイクルに近づくのは5歳頃と言われています。
昼間の強い刺激
「日中に不安なことや嫌なことが起きた」「緊張する出来事があった」など、感情を動か強い刺激を受けると夜泣きをすることもあるようです。
例えば…
・引っ越しをした
・幼稚園や保育園に通い始めた
・弟や妹が生まれた
・家族で遊園地に行った
・雷や強風、自信などの天候の変化
このような生活や環境の大きな変化が夜泣きを誘発する刺激になることがあるということです。
日中の運動不足
子どもはエネルギーが有り余っていることが多いです。
日中あまりあそべずにエネルギーを発散できていないと眠りが浅くなってしまいがちです。
そうすると夜中に途中で目が覚めて泣き出してしまうことがあります。
子どもには昼夜の生活リズムのバランスに配慮することが重要です。
睡眠環境の問題
寝室の照明が明るすぎたり、テレビの音がうるさかったりすると覚醒状態になりやすく、ぐっすりと眠れません。
その結果、頻繁に目を覚ましてしまい、心身が休まらず興奮状態に陥ってしまい夜泣きに繋がることもあります。
夜泣きの原因として歯ぐずりも考えられます(ここから夜泣きの原因・歯ぐずりについての記事も読めます)
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【④円形脱毛症】
円形脱毛症の原因はストレスであるという認識が一般的ですが、実はストレス以外にも原因がある場合もあります。
もし子どもが円形脱毛症になったら、なるべく早く近くの皮膚科を受診しましょう。
自己免疫異常(アトピー含む)
自己免疫異常とは、自身の持つ免疫機能が異常をきたし、自分の細胞を攻撃してしまう疾患です。
免疫機能が異常の場合、毛根の細胞を異物として攻撃してしまい、それが原因で円形脱毛症を発症すると考えられています。
ストレス
ストレスは円形脱毛症の原因の1つとされています。
長期間にわたってストレスを受け続けていると、血管が収縮して頭皮への血行が悪くなります。
そのため毛髪の成長が阻害され抜けてしまうと考えられています。
【まとめ】
子どもは大人よりも敏感です。
知らず知らずのうちにストレスを溜め込んでしまっていることもあります。
そのストレスが原因で、指しゃぶりやチック症、夜泣きなどの癖が出て、症状が続いたりすることもあります。
ただ大人は癖がでているからと言って、あまり気にしすぎるのもよくありません。
症状がひどくなったり、長引いたりしなければ見守ってあげて下さい。
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