子どもの成長において、おもちゃは欠かせない存在です。
適切なおもちゃを選ぶことは、子どもの発達を促進する上で重要な要素の一つです。
本記事では、20年以上働いてきた保育士&幼稚園教諭としての視点から、おもちゃの選び方や子どもの発達に与える影響などについて解説し、子どもの月齢、年齢に相応しいおもちゃを紹介していきます。
おもちゃの役割と重要性
子どもにとってのおもちゃの重要性は以下の3つのポイントが挙げられます。
①発達の促進
おもちゃは子どもの身体的、認知的、感情的、そして社会的な発達を促進します。
例えば、積み木やパズルは子どもの手先の器用さや問題解決能力を発達させ、絵本やぬいぐるみは言語能力や想像力を刺激します。
また、他の子どもとの遊びを通じて社会的スキルを学ぶことも重要です。
②創造性と想像力の育成
おもちゃは子どもの創造性と想像力を刺激し、自己表現やストーリーテリング能力を発展させます。
例えば、シンプルなブロックや箱は幅広い遊び方が可能であり、子どもたちは自分のアイデアを形にすることができます。
また、お人形やキッチンセットなどは、子どもたちが現実世界の役割や関係性を模倣し、理解するのに役立ちます。
③学習と楽しみの結びつき
おもちゃを通じての遊びは、子どもにとって楽しみながら学ぶ絶好の機会です。
例えば、科学的なおもちゃや工作キットは、子どもに科学や数学の基本的な概念を探求する機会を提供します。
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また、音楽やアート用具を使ったおもちゃは、感性的な表現や表現力を育みます。
楽しい体験を通じて学ぶことは、子どもにとってより長続きする知識やスキルを獲得する手助けとなります。
選び方のポイントと注意点
子どものおもちゃを選ぶ際のポイントと注意点は以下の3つの視点から考えることができます。
年齢に合っているか
子どもの年齢や発達段階に合ったおもちゃを選ぶことが重要です。年齢適合性の目安は、おもちゃのパッケージや商品説明に記載されています。
小さな部品や鋭利なエッジがないかどうかを確認し、安全性を確保します。特に、幼児期の子どもたちはおもちゃを口に入れる傾向があるため、安全性は特に重要です。
発達を促せるものか
子どもの発達を促進するおもちゃを選びます。難しすぎても簡単すぎても駄目です。子どもが少しがんばればできそうなレベルのものを選ぶようにします。
例えば、手先の器用さを発達させる積み木やパズル、言語能力を育む絵本や音楽おもちゃなどがあります。
複数の感覚を刺激するおもちゃを選ぶことも重要です。例えば、触覚、視覚、聴覚を同時に刺激するようなおもちゃは、子どもの総合的な発達を促進します。
刺激を与えると言っても、電動で勝手に動くものや、音や光が強いものはおすすめしません。子どもが受け身になってしまうからです。子どもが自分から働きかけて、音がでたり動かせたりするものが好ましいです。そうすることで子どもの好奇心や意欲が育ちます。
興味と関心
子どもの興味や関心に合ったおもちゃを選ぶことで、子どもたちの遊びの喜びや学びの効果を最大化できます。
子どもたちが自分の興味や関心に基づいて選んだり、自由に遊べるようなおもちゃを提供することで、自己表現や自己肯定感を促進します。
子どもの発達に与える影響
おもちゃが子どもに与える良い影響は以下の通りです。
創造性と想像力の育成
例えば、積み木やブロックは子どもが自由に組み合わせて建物や構造物を作ることができるため、創造性や想像力を育みます。
子どもたちは自分のアイデアを形にする楽しさを体験しながら、新しい構造物を作り出す過程で問題解決能力も養います。
社会的スキルの発達
お人形やキッチンセットなどのおもちゃは、子どもが他の子どもや大人との相互作用を模倣し、社会的スキルを発達させるのに役立ちます。
例えば、お人形遊びを通じて幼児は感情の表現やコミュニケーションの重要性を学びます。
認知的発達の促進
教育的なおもちゃやパズルは、子どもの認知的発達を促進します。
例えば、形や色を認識するためのパズルや、数字やアルファベットを学ぶためのおもちゃは、子どもの学習意欲を高めながら基本的な知識を身につけることができます。
発達段階に合わせたおもちゃの選び方
0歳前半 (生後0~6ヶ月)
- おもちゃの選び方:視覚と触覚を刺激する柔らかい素材や明るい色彩のおもちゃが適しています。また、音を出すおもちゃも人気です。
- 具体的なおもちゃの例:柔らかい布のぬいぐるみ、ラトル、音が鳴るぬいぐるみブック
- 選ぶポイント:安全性と耐久性が重要です。また、洗濯可能であるかどうかも考慮しましょう。
0歳後半 (生後6~12ヶ月)
- おもちゃの選び方:掴む、持つ、振るなどの動作ができるおもちゃが適しています。また、触覚や音を刺激するおもちゃも好まれます。
- 具体的なおもちゃの例:ティージャー、ソフトブロック、音の出る手持ちおもちゃ
- 選ぶポイント:安全性と洗浄しやすさに加えて、触覚刺激や音の質にも注意しましょう。
1歳
- おもちゃの選び方:探索や手先の器用さを促すおもちゃが適しています。また、音楽や動物の模倣を楽しめるおもちゃも好まれます。
- 具体的なおもちゃの例:ボールやブロックを入れる積み木セット、手押し車、音楽を奏でる楽器おもちゃ
- 選ぶポイント:安全性と耐久性はもちろんのこと、幅広い遊び方ができるおもちゃや、子どもの興味を引くデザインのものを選びます。
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2歳
- おもちゃの選び方:模倣遊びや独自の遊びシナリオを作るおもちゃが適しています。また、基本的な形や色、数字、アルファベットを学べるおもちゃも人気です。
- 具体的なおもちゃの例:ドールハウス、車やトラック、シンプルなパズル、形や色を学べるソート
- おもちゃ選ぶポイント:安全性と耐久性はもちろんのこと、子どもの興味や関心に合ったおもちゃを選びます。また、学習に役立つおもちゃを取り入れることで、知識やスキルの習得を促進します。
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3歳
- おもちゃの選び方: 想像力を育むおもちゃや、基本的な学習を促進するおもちゃが適しています。また、協力や競争を楽しめるおもちゃも人気です。
- 具体的なおもちゃの例: シンプルなパズル、動物のフィギュア、絵本、色や形を学べるゲーム、シンプルなボードゲーム(ルールが簡単なもの)
- 選ぶポイント: 子どもの興味や関心に合ったおもちゃを選びます。また、安全性と耐久性はもちろんのこと、基本的な学習や社会的スキルを促進するおもちゃを重視します。
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4歳
- おもちゃの選び方: 想像力や創造性を育み、学習と遊びを結びつけるおもちゃが適しています。また、基本的な学習を深めるおもちゃや、友達や家族との協力や競争を楽しめるおもちゃも好まれます。
- 具体的なおもちゃの例: レゴ、シンプルな工作キット、ストーリーブック、数やアルファベットを学べるゲーム、家族や友達と楽しめるボードゲーム
- 選ぶポイント: 子どもの興味や関心に合わせたおもちゃを選びます。また、安全性と耐久性はもちろんのこと、想像力や学習意欲を刺激するおもちゃを優先します。
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5歳
- おもちゃの選び方: 学習と楽しみを組み合わせたおもちゃや、創造性を育むおもちゃが適しています。また、ソーシャルスキルを発達させるおもちゃも重要です。
- 具体的なおもちゃの例: 複雑なレゴセット、アートセット、学習ゲーム(数学や言語、科学)、チームで協力するゲーム、戦略的思考を促すボードゲーム
- 選ぶポイント: 子どもの興味や関心に合わせたおもちゃを選びます。また、安全性と耐久性はもちろんのこと、知識やスキルの深化を促進するおもちゃや、チームワークや戦略的思考を養うおもちゃを取り入れます。
おもちゃ選びが育む親子の絆
おもちゃ選びは親子の絆を育む貴重な機会となります。
共同の興味を見つける
親子が一緒におもちゃを選ぶことで、お互いの興味や関心を共有する機会が生まれます。
例えば、親子が一緒におもちゃのセクションを探索し、お互いに興味を持ったおもちゃを見つけたり、選んだりすることで、共通の話題や興奮を共有することができます。
コミュニケーションの機会を提供する
おもちゃを選ぶ際に、親子はお互いの意見や希望を話し合う機会を得ます。
このプロセスは、コミュニケーションスキルや意思決定能力を発展させるだけでなく、お互いの考え方や価値観を理解し合うことにも繋がります。
例えば、子どもが特定のおもちゃに興味を持っている理由を尋ね、その背後にある感情や興味を理解することができます。
共同作業や共同体験を通じて絆を深める
おもちゃ選びは、親子が共同作業を通じて絆を深める良い機会です。
一緒におもちゃを見つけたり、選んだりすることで、親子の共同体験が生まれます。
また、おもちゃを一緒に組み立てたり、遊んだりすることで、親子間の信頼関係や連帯感が強化されます。
例えば、親子が一緒にレゴセットを組み立てたり、お人形遊びを楽しんだりすることで、共同作業や共同体験を通じて絆を育むことができます。
まとめ
おもちゃ選びは親子の絆を深める大切な時間です。一緒におもちゃを選ぶことで、子どもと親はお互いの好みや興味を共有し、楽しい会話を交わすことができます。
子どもの意見や希望を聞きながら、一緒に選ぶことで、コミュニケーションスキルや意思決定能力も育んでいけますね。
そして、一緒におもちゃを選んで遊ぶことで、親子間の信頼関係も深まります。一緒に遊んで楽しむことで、お互いをより理解し合い、絆を強めることができるんです。親子で共同作業や共同体験を通して、家族としての絆を深めていきましょう。
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